煤竹(すすたけ)



煤竹は民家の天井などに使われている竹が、囲炉裏やかまどの煙で永い間燻されて出来た赤褐色の竹のことです。

100年から200年も燻されることにより出来上がった渋い風合いのある素晴らしい素材ですが、現在では茅葺きの民家も少なくなり入手が大変困難になっています。

煤竹は堅い中にも柔らかさがある正に剛柔合わせもった竹で、扇子はもとより茶筅などの茶道具や日本刀の目釘にいたるまで様々なものに使われてきています。

昔から扇子用の素材として重宝されてきましたが、生活様式の変化と職人の高齢化や、制作にかかる膨大な手間、そして繊細を極める職人の技術が要求され、次代に受け継ぐことが残念ながら絶望的な状況になってまいりました。
正に一つの文化が滅びようとしています。

安定して供給できないためネット販売をしてまいりませんでしたが、このように素晴らしい文化である煤竹の扇子を、少しでも皆様にご紹介させていただきたいと思い、あらてめて制作を始めました。



煤竹を確保するのは古い民家の解体から始まります。

              
古民家が解体されるときに出た煤竹です。
文字通り煤だらけの状態ですが、その後使用される用途に小分けされます。

下の写真は扇子用に裁断して分けてある煤竹です。
このままの状態ですと竹が堅くて作業が出来ないため、煤竹を数ヶ月に渡って水に浸け、竹を柔らかくします。

煤竹を割る
煤竹、扇骨制作

これからが職人の腕の見せ所です。
熟練の技をもつ職人が削り、そして丹念に磨き上げます。

美しい赤褐色の色合いとなめらかで艶のある扇骨が出来上がります。
そして煤竹は他の扇骨と比べると触感さえ微妙に違います。