藍大島(あいおおしま)と扇子の矯め皺(ためじわ)

そして、印傳の燻し加工、ふすべ


本煤竹渋扇は扇骨とかなと地紙というシンプルな構造ですが、その制作は非常に奥の深いもので、全てをご説明することはできませんが、最高の素材を使い現在京都でもっとも熟練した職人たちが制作しています。

また日本の工芸品には次のようなこともあります。

一昔も前のことになりますが、藍大島(着物の大島紬)は藍の色が落ち 白足袋が藍色に染まるほど良い大島と言われました。

そのことが理解できなくなる時代が数十年も前から始まりました。

着物の中でも高級品の藍大島が、色落ちして他のものに付くなんてことは・・・

足袋ぐらいなら良いのですが、着物に締める帯にもつきますので不慣れな方にとっては信じられないのです。

当時は色が落ちれば洗い張りをしたり、地直し(浸み落とし屋さん)で直したりして、なんと言うこともなく着ていましたし なによりも、その風合いを愛用されたのです。

着物が量販店やデパートで大量に販売されていくにつけて、現場での説明不足や生活習慣の変化により 、色落ちが嫌われるようになり残念ながら現在ではあまり制作されていないようです。

他のいろいろな製品の色落ちにしても、しっかりと止めることなどを施しはじめましたので、問題は解決したように思われますが その反面失われたものもあるのです。

京扇子などもそんなところがございます。

ため皺も全てではありませんが必要不可欠な部分もあるのです。

人も扇子も(しわ)がない方が良い(笑)かも知れませんが、年輪を重ねた皺は魅力的なものです。

また弊店では 地紙と扇骨を付ける糊なども昔ながらの糊を使用しています。

そのため、日のあたるところに開けたまま放置しますと、乾燥から親骨から糊が剥がれることがあります。
(その場合はすぐに修理できます)

ボンドを使えばそのようなことは起こらないのですが、なんとなく感覚が変わる・・また、地紙の張り替えのときなど剥がすのが大変です。

また、印傳のふすべの製品は暖かな色合いと、素敵な手触りなど本当に魅力的ですが、反面 色落ちする・・汚れやすい・・また燻した匂いがかなりいたします。

燻した匂い(藁など)は、徐々にうすくなりますし、決して嫌な香りではありませんし

私は好きな香りです(笑)が、このように部屋中が匂うような工芸品もあるのです。

また漆はときと ともに、色が冴えてまいりますし、柿の渋は濃度がどんどん上がり当初よりかなり濃い色になり 染めた段階では完全な色の予測はできません。

また、特に煙で長いとき を燻した本煤竹は1本づつ全部色合いが違いますし、竹も地色も全てが明確に違います。

天然素材を使ったこれらの品は、湿度の多い日、乾燥した日、その時々により呼吸をするように変化します。

ためじわも、色落ちも、燻しの香りも割り切ることができないなにか・・・ほんとうにおおらかなものですが、

それは日本の気候風土の中で育まれた伝統工芸品ならではの味わいと考えています。



☆梅雨時分は湿気を多く吸い、逆にエアコンの中では空気が乾燥して扇子にとっては良くありません。

一日がすんだら、扇子の先端を付属のオビで止めて 休息させてやれば落ち着いてまいります。

いろいろと解り難い点などあるかと思います。

そのようなときは、店主までメールをお送りください。

時間が掛かってもお返事いたします。



本煤竹一覧のページへ   渋扇一覧のページへ   ●扇子のページへ  いんでんのページへ   トップページへ